木は、なぜ腐るのか知っていますか?

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微生物には、細菌や原生動物などの他、カビや キノコの仲間がいます。梅雨時に住宅内の壁や 天井が黒っぽくなり触ると粉のようなものがつく、あるいはユニットバスの目地や台所の水周りが黒っぽく汚染されるなどはカビの仕業です。もちろん食品を腐らせたりもします。分類上は接合菌、子嚢菌、あるいは不完全菌の仲間たちです。これに対して、キノコは担子菌という仲間の繁殖器官を示す言葉です。担子菌はマツタケやホンシメジのようにアカマツなどの生きた樹木の根に共生している菌根菌、ナラタケやベッコウタケのように樹木に 寄生して病気などを引き起こす活物寄生菌、そして衰弱あるいは枯れた草木や樹木などを養分とする死物寄生菌(腐生菌)に分けることができます。木材腐朽菌は腐生菌の中で大きなグル プを作って います。腐朽菌は、その菌が腐朽した木材の外観から褐色腐朽菌と白色腐朽菌に分けられています。
さて、木造住宅や外構などの木造建築物を腐らせる腐朽菌にはどのような種類があるのでしょう。これまでの記録をまとめると、大部分が褐色腐朽菌です。これは、木造建築物がほとんど針葉樹でできていることと関係があるようです。褐色腐朽菌は、どちらかといえば針葉樹材を好む傾向にあるからなのです。白色腐朽菌も少し見つけられていますが、これらが住宅の土台などの部材で見つけられることは多くありません。もっぱらベランダや門柱などのような外構部材に被害を与えているようです。
褐色腐朽菌であるナミダタケの被害は北海道や 東北でしばしば見受けられるもので、欧州にも広く 分布しています。よく見られるものとしては、褐色で床根太に張り付くイドタケ、淡い黄色でキノコと白い菌糸が混在して浴室天井などに張り付くチョークアナタケがあります。いずれの腐朽菌でも、キノコ本体が木材を分解するのではなく、菌糸が木材細胞内に成長し、酵素を分泌して木材を分解、養分としています。
腐朽菌は好気性生物ですので酵素を必要とし、水も必須です。 ほかの生物と同様に環境温度にも生育が左右され、生育適温が23℃前後の好低温菌、 25-30℃の好中温菌、および30-45℃の 好高温菌に分けることができます。養分である木材は菌にとって上等な食料ではありません。菌体を形作っている細胞中の炭素と窒素の比は30: 1 ぐらいなのですが、木材中のそれは300-1000: 1 と窒素が極端に少ないからです。ですから、腐朽菌が木材を主食にするには窒素をよそから補給したり、少ないものを使いまわすようなことをしなければなりません。環境によっても異なりますが、腐朽菌 より先に侵入する細菌やカビなどが材中に残した 窒素などを利用していると考えられます。このように、腐朽菌の生育には酸素、水、養分、 適当な 温度が必須で、これらの条件が1つでも欠ければ腐朽菌は生育できません。特殊な場合を除いて、酸素や温度を制御できませんから、水が養分を断つことになります。この具体的な対応が木材を乾燥することです。使用中も乾燥状態を維持しなければなりませんので、工法を工夫して水を断つ必要があるのです。ただし、外構部材などのように工法の工夫に限界がある場合や、住宅内部での思わぬ水濡れも考えなければなりません。しかし、ヒバのように耐久性の高い木材を使えば、長期間腐朽菌の攻撃を防ぐことができるのです。最も湿気が溜まりやすい土台に、徹底的に乾燥したヒバを使用することは、木材腐朽菌対策として、最適であるということです。

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